ギターエフェクターを管楽器奏者が使う方法
- Kosaku Toyoshima
- 2018年6月18日
- 読了時間: 5分
更新日:2019年11月4日
人生死ぬまで虚仮威し、ジャズ・アーティストの豊島考作です。
管楽器奏者がエフェクターを使うのも、結構一般的になってきたのでは?と思う今日この頃です。
巷にはこんな製品もありますので、
マイクのキャノンケーブルをコレにぶっ刺して、お気に入りのエフェクトを選ぶだけ!
みたいなスタイルでもじゅうぶん楽しめる、とは思います。
ただ、管楽器奏者でエフェクターを使い始めると、
ギター用エフェクターを管楽器でもガンガン使いたい!
(ライブの時に)PAさんとの折衝がめんどくさい!
なんかエフェクターの電池減り早い(インピーダンス合ってなくて、、)
出力稼げない(S/N悪い)
という悩みも出てくるかと思います。今回は、これらの悩みを少しでも打開できれば、、と思っております。
いきなり脇道に逸れますが、エフェクターを使ったトランペッターといえばこの御方
(画像クリックでイケベ楽器のレビュー記事に飛びます)
近藤等則氏の機材を見たときには「要塞かよ!」と思いましたが、ここまでやらずとも、ギターのエフェクターを活用して楽しいエレクトリック・トランペットライフを送ることはできると思います笑。(要塞システムには憧れますけど、、)
※ちなみに、ワタクシはトランペッターなので、エレクトリック・トランペットの開祖がどうしても気になりますが、「実はマイルスより前にこの人やってたよ!」という話が実はあるのではないかと密かに期待しています。
ちなみに近藤等則氏の著作である「ラッパ一本玉手箱」

なかなか軽妙で味のある文体でおすすめです。ちょっとだけ抜粋しますと
客は全体で一個の人体だ、1人の女の子に抱きつくことは客全部にさわったことになる、とある日気づいたわけよ。その後の鍛錬で、音でさわることができるようになったものだから、いまじゃあそうはしないが、先に進みすぎるってのもムナシイところはあるよな。エッ、コンドーサン達の音にさわられまくっちゃったよ、だって、じゃあ、一緒にどこかに行こうぜ。
ちなみに1990年出版で、時代背景もあるのかもしれませんが、こんな感じの小気味良いテキストが盛り沢山です。絶版でちょっと値上がりしてるみたいですが、ぜひご一読ください。
まあ、音で観客に触るなんて境地には苦節14年のラッパ吹き生活の中でもまだ至っていないわけですが、始めた当初は「バラード吹くのに童貞みたいな音出してんじゃねえよ」とかよく言われたもんですね。もし、例えばヤ○ハ音楽教室?の講師の方が同じこと言ったら今では炎上とかになっちゃうんでしょうか?笑。
ただ、音楽表現は多分に身体運動と密接な関係があるので、こう言った表現で結構、出音が変わったりもするもんです。バラードの例でいえば、コンプライアンス的には「優しく包み込むように」とか「音に広がりを持たせて!」とかなるんでしょうけど、要は演者の捉え方が変われば何か新しい表現の緒になったりもするわけなので、「あー、今のは童貞の音だわ確かに」とズバっと行くほうが実は周りの人がハッピーになったり、なんてことも結構あります。
話を戻します。
今回の内容、元々は「管楽器奏者向けのエフェクターとミキサー接続ガイド」として別のブログに4年ほど前にポストした内容ですが、その後私自身のセッティングも変わってきまして、色々と拡張性を持たせられるようになってきました。
そのセッティングがこちらです。

ラインセレクターや、カオシレーター(左上のピンクの四角いやつ)があるのでちょっとわかりにくいですが、基本はこちらを使えば結構万事解決で、SEND/RETURNのループにギター・エフェクターをつなぐだけです。
(画像クリックでサウンドハウスの製品ページに飛びます)
これが出る前は、
「えーと、ダイナミックマイクの出力は600Ωで、ギター用のエフェクターは入力1MΩの出力1kΩで、、PAミキサー卓のマイク入力は数百Ωなんだけど、インピーダンスはハイ出し、ロー受けが基本だから、、、」
とか考えながら、インピーダンス変換プラグとかを使ってボードを組んでおりましたが、このオーディオテクニカ社製、SLICK FLYのおかげでシステム自体はかなりシンプルに考えることができます。(ライブの時も、PAさんに「DI持ち込みでキャノン出しです」だけで完了)
しかも、ファンタム電源も供給できるので、コンデンサーマイクもOK!
と、このSLICK FLYさえあればバラ色のエレクトリック・トランペット生活が送れそうなものですが、確かに木管楽器であればバラ色になるみたいです。
ただ、トランペットのような金管だと、どうもこのSLICK FLYだと感度が良すぎる?のか、実際使ってみると、ちょっとザラついた音色になります。(なんというか、ディストーションかかってるのを無理矢理クリーントーンにして、、みたいな感じです。)
そういう場合は、コンデンサーマイクをダイナミックマイクに差し替えて、こんな感じのセッテイングになります。

こちらは、左上の赤字に青い箱がRADIAL J48というDIになります。
Line selectorの右側に挿さっている太いプラグがCLASSIC PRO ZXP212というインピーダンス・マッチング用のプラグです。
確かにこちらの方が生のクリーン感というか、、SEND/RETURNでは無いんですがきちんと鮮度がリターンされてる感はあります、、
例えると、RADIAL J48を使うと、「グラビアアイドルのハジけるフレッシュさを雑誌のカラー印刷で見ている感じ」なのに対し、
SLICK FLYだと、「昔見たグラビアアイドルを、VHSテープの映像がデジタル化されてYoutubeで見ている感じ」とでも言えば良いんでしょうか、、
(念のために申し上げておきますが、SLICK FLY, RADIAL J48ともにどちらもスバラシイ製品であることは確かです。音の出音のイメージの話です。)
最近のライブだと、セッティングの煩雑さを避けるため(あと、RADIAL J48はPA宅から地味にファンタムもらわないといけない。マイクはダイナミックなのにわかりにくくてすいません。)SLICK FLY一択なんですが、出音のこう、なんというかハジけるフレッシュさ(繰り返し)にはもう一歩、、てな気がして、記事のタイトルと矛盾するようで大変恐縮ではありますが、やはりまだまだ模索探索試行錯誤は続くのでありました。
あ、でも今回ご紹介したSLICK FLYのセッティングで、知人のギタリストからエフェクター借りて色々試すのはすごく楽しいので、ぜひ皆様も試してみてください!
遍く人に、NUMBOUTDUB EXPERIENCEを
豊島 考作
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