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心が邪魔

  • 執筆者の写真: Kosaku Toyoshima
    Kosaku Toyoshima
  • 2019年9月7日
  • 読了時間: 7分

更新日:2019年9月9日

「心を無くせ、タマシイを飛ばせ」

ってのは、エレクトリック・トランペットのパイオニア、近藤等則氏の言葉ですが、基本的に心はやっぱり邪魔で、煩悩、とでも言いますか、

心という漢字はおよそ3000年前くらいに出来たらしいので、それまでは心の概念がなかった、21世紀はようやく「心の時代が始まった」とか言われてるみたいですが、まあ漢字だけ見るとそうかもしれないですけどね笑、漢字が文字表記の中でビジュアル性に長けていることを考えると、「心が認識され、記号化された」ってのはまあそれくらいの時期なのかと思います。

シュメール神話に、「イナンナの冥界下り」という、心の概念を獲得する以前の神話がありますが、「なぜそうしたのか」って行動の理由の説明が一切なくて面白いんですよ。厳密に言うと、物語の終盤、イナンナが夫にブチ切れて自分の身代わりに決めるシーンは、状況解釈的に「あー自分のダンナにそんなことされたらそりゃキレるよねぇ」という部分はありますが、心象記述的なものは無いと記憶してます。

私が読んだのは、能楽師の安田登氏の訳で、

イナンナは女性性の神ですが、急に思い立って姉エレキシュガルが治める冥界に行って死刑判決受けて死んで、従者の助けで復活し、と、現代語訳はここまでですが、解説にその後の話もあって、


地上に戻るには身代わりが必要だからその身代わり探しに地上に帰ったら自分の夫が自分の死を悲しむ様子もなくパーティーやっててブチ切れて夫を身代わりにした、という話なんですが、

まあ、このあらすじ追ってると、怒った時点で心あるじゃん、とも思えますが笑、

この怒りのピークの感情(しかも自分のことを愛しているはず、と思っていた夫からの裏切り)によって「心」が発現した、と考えると、心の起源は陰性感情と密接に関係しているように思えてきます。

「相手の本音を知るには怒らせろ」と小さい頃よく言われましたけどね、怒りの感情は重要ですが、怒ると大抵ロクなことにならないですね。やっぱり粋なのは、怒りの感情を笑いにくるんで、一級のブラックジョークにして相手に突き刺す、ことですね笑。

それで気になって「心」「魂」の漢字の起源を調べてみたんですが、

「心」は心臓の象形で、「魂」は 云 がモヤモヤした雲の象形で、鬼が奇形な頭部を持った人の象形(初めて知った)

ということで、冒頭の近藤等則氏の言葉「心を無くせ、タマシイを飛ばせ」ってのは、要は「命を削って音を出せ」ということだと個人的に解釈しますが笑、まあ演奏している側としては、心で余計なことを考えると大抵うまくいかない、みたいなね。

瞑想は効果的ですが、あれも「心を無くす」所作の一つですからね。

「マインドフルネスで自分を取り戻す」とか絶対にやっちゃダメですよ笑。個人的な経験則で言えば、むしろ神経症が悪化します笑。

マインドフル、っつって、心を満たし、その溢れた心がどこへ行くかっていうと、大抵の場合陰性感情に行くので笑、やはり必要なのは瓶の底に穴を空けて、心を大海原へ流しましょう、みたいな笑。

そんな自分もここ最近瞑想をサボってたせいか、煩悩まみれになってるわけですが、

瞑想といっても自分の場合、ストレッチとアシュタンガ・ヨガを自己流で組合せた寝る前の体操みたいなもんで笑、妻がヨガの中でも、最もストイックでハードと言われるアシュタンガ・ヨガの経験があり、少し手ほどきしてもらったのですが、ありゃまったくもってマインドフルにならないですよ!笑

強いて言えば、ソウルフルネスですね、 以前も何かで書きましたが、巷の平積み・ファクトフルネス、煩悩まみれの・マインドフルネス、踊って解放・ソウルフルネスみたいな笑、微妙に韻踏めてませんけど、

アシュタンガ・ヨガは「動く瞑想」とも言われ、やはり追求すべきは「踊る瞑想」ということで、一遍上人の「踊り念仏」とかまあ、コンセプトとしては相当に時代を先取りしてたと思います。まあ踊り念仏と言う前に、ダンスによる精神性の統合ははるか前からあったわけですが。

以前、ニューヨークにあるニュースクールでジャズと作曲を学んだ方から聴いたのですが、最近(と言っても10年以上前の話)だと、ジャズ・ミュージシャンもクリーンで、みんな瞑想で気持ちよくなってる、と笑。

気持ちよくなりたいのは変わらないわけなんで、その手段がドラッグか、瞑想か、

そういや、「スティーブ・ジョブスはアシッドテストをパスした」って話、ビジネス界隈で言及してる人あんま見たこと無いですが、アシッドって、LSDつまりリゼルグ酸ジエチルアミドの酸のことを総称してアシッドって言ってるんでしょ? と思ってたら、この手の話題に明るい知人が「何いってんの、MDMAもLSDもエクスタシーもぜーんぶ俗称でアシッドって言うよ」と言われて、あれ、そーなの?と、

てかLSDってアミド基あるから酸塩基反応で言うと何なんだっけコレ?みたいになりまして (一応、理学系の修士持ってるとは思えない酸塩基反応に関する知識ですいません笑)

えっ、じゃあ、アシッドテストをパス、ってMDMAみたいなハードドラッグでも許容されるわけじゃないよね?あれってサイケデリックブームとLSDが共にあったから「アシッド・テスト」って呼称されてたのだから、ドラッグならなんでもいーや、ってそんな話じゃないでしょ?笑、という話をしたら、

「うん、まあ時間が経てば語用が変わるってことだね、というか今、真顔でアシッドテストをパスしたのか?なんて聞く人居ないと思うよ」

ということらしく笑、まあ「アシッド」って響きだけが受け継がれた、というケースを目の当たりにしたわけですが。

国内で市販されてる合法なドラッグって、アルコール、そしてアルカロイドで言えばカフェイン、ニコチンもありますが、それぞれ薬理作用が異なるので、アルコールってやっぱり肉体は緩ませることができても、暴力性が増すので、これ、今書いてる途中の「より良いワークショップ企画設計のための3原則」にも通じる話なんですけど、日頃引っ込み事案な方がアルコールで暴力性を喚起させてアッパーになって、という効果はあるんでしょうけどね、日頃アッパーな人がアルコールを摂取すればまあ暴力沙汰も起きますよ笑


ちょっとだけワークショップ企画設計とアルコールの話に触れますと、関係性の質を向上させるのにアルコールの力を借りることを前提とするのは、なんというかすごい怠慢というか笑、シラフの時に自己開示できる術は色々ありますので。

でもビール飲みながら話すの私は大好きですけどね。


話が脱線してますが、何の話かというと、心は本来邪魔で、それを手放す術としての瞑想からドラッグの効能の話に飛びましたが笑、


肉体がハイになるか、ダウナーになるかって観点で言えばダウナーの究極はドラッグの女王といわれるヘロインで、ハイになるのはコカインと言われますが、


通称スピードボールと呼ばれる、ヘロインとコカインの混ぜ物は、相反する方向性の共存、ということもあって相当に強烈らしく、天国と地獄を同時に見る、みたいなね、スピードボールでダメになっちゃったミュージシャン一杯いますんで、矛盾を抱え込む、アンビバレンス、清濁併せ持つ、なんてのもいずれは精神的に限界が来てしまうことの相同、かもしれないですよ笑


(映画 Let's get lostでチェットベイカーがコカインとヘロインの配合について解説するシーンがありますが、その配分については相当な気の使いようで笑)


今、精神疾患の罹患者数って、たしか国内だと身体的障害者の数と同じくらいいたと思うので、そしてその精神疾患罹患者には薬物治療もなされていますが、ドラッグと薬理作用、および精神と身体への影響ってのはもっとヴァリエーション豊かに初等教育の時点で教えられるべきと思いますね!「薬物ダメ、絶対」とか煽られてもあれ返って好奇心もっちゃうでしょ笑。


心理テストと称した精神分析の手法もだいぶ耳馴染みあるものにはなってきたので、自分の状態分析、とそれに作用するドラッグ一覧、その薬理作用、なんてのを学んで、その上で瞑想の所作を学ぶ、なんてプロセスがベストかと笑。


まー、結局1番良いのは音楽聴いて体を動かす、踊るってことだとは思いますけどね!


ではまた!





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