クリエイティビティ数稽古(「クリエイティブ」の練習帳 出版記念講演 + ワークショップ 実施レポート)
- Kosaku Toyoshima
- 2019年11月4日
- 読了時間: 5分
人が人足りうる軛(くびき)は、市場価値・自己実現ではなく意味顕現と即応表現にこそ
「クリエイティブ」の練習帳 出版記念講演+ワークショップ、無事終了しまして、お集まり頂いた16名の方、どうもありがとうございました。

16名って数字が多いか少ないか、なんですが、過去数回、主催者100名規模の有料イベントを苦もなく集客してきた身からすると、今回正直集客にはちょっと苦戦しまして、
100名規模の方は、「やっぱ内輪の求心力すげえ」ってことなんですけど笑、
今回このイベントは、内輪ではなく全世界に向けて発信されておりまして、版元のフォルムアート社さんはじめ、FASHIONSNAP.COMさんにもフィーチャーされ、国内では、創造的思考法としては最先端、そしてその方法論獲得の場にこれだけお集まり頂いたのは快挙と言えるでしょう。
↑FASHIONSNAP.COMさんのページのスクショ
フィルムアート社さんも応援に駆けつけて頂き、当日は関連書籍含めた即売会実施

ちなみに、フィルムアート社さん、通称「動く出版社」ですが、今回のワークショップが実際に手を動かして本に触れる、という内容でしたので、これを機に「手が動く出版社」に改称をご検討いただければと笑、切に願っております。
イベントの中身は、ブルームコンセプトさんのnoteでも発信されると思いますので、詳細はそちらもチェキって頂ければと思いますが、まずは小山龍介先生の「ビジネスとアート」の解説

いきなりパンチラインのスライド出てますが、価値創造から意味創出へ、
これはイベント後に、出雲の原酒のみながら小山さんと話してても思ったんですが、やっぱ市場価値がどうの、とか、キャリア開発で自己成長がどうの、とかいう話、総じてつまらない、ってかどうでも良いんですよ。
「対象物に、ある人から意味が見いだされてそれが価値に転換しうる」って詭弁、「意味が先か価値が先か」でいうと意味が先で、そしてこのアートの文脈で言えば、「一見意味のなさそうに見えるものに意味を見出す」ってことが人間が歴史上、獲得してきた能力でもあるので(身近な例で言うと星座のグルーピングとか)アート論者と話すと、全てがちゃぶ台ひっくり返される方向に行って、小気味良いんですよね笑。
やっぱり、そこにどういう「意味」が現れうるか?っていう顕現性と、即応的な表現にこそ、リアルタイムにやってる楽しさが出ると思うんです。ライフサイズさえフリースタイルにしちゃえ、みたいな。

小山龍介さんの話を受け継いで、そのままワークに進みます。

今回のワークショップの目的は
本の使い方を知る
ワークを通じて課題を捉える視点をアップデートする感覚を掴む
ということで、使い方を2通りやってみました。
1つ目は、「(前フリなしで)本のページをめくってそれにトライする」というやり方、
2つ目は、「自分が抱えている課題」に対し、本のテーマから問題を選び、全く違う観点から課題を捉え直してみるというやり方
この本が良いのが、実際のお題に対し手を動かして絵を描く、ということで、絵といわずとも、何本か線を引くだけでも相手に伝わることってあるんですよね。
普段、ビジネスマン向けのワークショップとかやってると、基本的に皆さん高等教育を受けてる方が多いので、ラングとパロールだけで相互理解を図ろうとしてしまい、それだけじゃ伝わんねぇよ、ってことでブロックを使ったり、オフサイトでやってみたり、色んな手法が日々開発されておるわけですが、この本と紙とペンさえあればまず良いでしょ笑っていう。
紙とペンで、絵を描いて意思疎通図って、ってのはクレオール言語創発の原初的営みでありますので、階級差(現代に於いてはその多くは知識階級差)の分断をブリッジするのにも、アート的アプローチに可能性がある、というのは風呂敷広げすぎかもしれませんが笑、ともかく、笑いの要素もふんだんにブレンドされたこの本の可能性は無限大、ってことですね。

今回は時間の関係もあり、2パターンのみのご紹介でしたが、この本の使い道はいくらでも考えられます。例えば
本の10テーマ(権力と自由、時間、価値、自分・・・)についてグループで思う所を話し、ワークに取り組む。その後テーマの概念について捉え方がどう変わったか、をフィードバック
トイレに本書とペンを於いておき、用を足すまでに一つ作品を仕上げる
グループで一つの問題に取り組み、独考→共有→独考のサイクルでインスパイアのショート・ループを回す
一番笑える、ヘンテコなアイデアを出した人に賞金
ビジネス企画のブレインストーミングのセットに組み込み、アイデア創発の爆発力を上げる
交換日記形式で、チーム内でバトンを渡すように本のワークに取り組む
などなど、これどれも面白そうなんだけどなぁ、、、教育関係者の方とか居たら、進行役として呼んでくれないかしら笑。
イベントの終盤、小山龍介さんも解説されてましたが、「ワークで得られた結果と、抱えていた課題の距離感のギャップ」ここに意味を見出そうとすることが重要なわけですが、それをやるにもやはり数稽古、ってことで一冊持たれてる方も、ぜひ二冊目を購入されることを強くオススメします。
さて、まだ購入すらされて無い方に本書の改めての紹介もかね、「問題に対する作品」を一部ピックしてご紹介しますが、以下の図柄を見てピンと来た方はぜひご一読、というか、ご一創作を笑

文字が読めない人に「識字」を勧めるポスターのデザイン
何言ってるか分かったら「ヤレるかも?」と思わせる、性欲喚起型の鉄板ですね笑。
(これ描いたの女性ですが、女性向けの性欲喚起型にデザインを変えるとすればどうなるんだろう、、)

こちらは私の作品で笑、空気で膨らむ大聖堂のデザイン、聖堂の形を保つには、誰かの祈祷なしにはその形態を保つことができない、つまり、空気入れが自動化・機械化された末に、その信仰心を人はどのように表すのか?を問うデザインになります。

こちらはビジネスマン向けにはセオリー感強いですが、バケツの価値を高めるヒント、最近にたような話題ではあちゅうさんが炎上してましたが笑、元来マーケッターと言われる方は「大衆の不安を煽り、需要を喚起する」ことを生業としてるので(アタクシも含めてね笑)その扇情性を省みる、ってことも大事と思いますよ笑。
ではまた!
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