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クレオール的能力の重要性

  • 執筆者の写真: Kosaku Toyoshima
    Kosaku Toyoshima
  • 2018年7月4日
  • 読了時間: 4分

更新日:2019年11月4日


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「それって、ファシリテーターじゃなくて、パシリテーターだよね」

フリースタイル・ファシリテーターの豊島考作です。


ワタクシ、たまにジョブハント中の学生さんとお話する機会があるのですが、鉄板のFAQに


「メーカーって、技術者が活躍するイメージはあるんですけど、私みたいな文系人間には働くイメージが湧きません、、」


というお約束の質問があります。


先日、この話題についてとある学生さんと話をしながら色々お絵描きをしまして、ある絵を描いて説明した所、だいぶ腹落ちして頂けたようですので本日はそのご紹介です。


まず、Aさんとお客さんをこんな感じで描きます。

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だいぶ距離感ある感じです。


この絵に、色々と描き込んでいきますが、Aさんが持っているものを

横方向に「スキル・ノウハウ・知識の領域の広さ」、縦方向に「その専門性の深さ」というイメージで描き込みます。


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こんな感じになります。これに、Aさんのこれまでの経験で培った「宝」を星マークで描いていきます。

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宝、というのは、誰かに提供する価値の源泉、みたいなイメージです。


このイメージを、先ほどの「Aさんとお客さん」の図に描き込んでいきます。

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Aさんはどうやら、長年の経験と勘でかなり深いレベルの専門性をお持ちのようです。


ただ、これだとお客さんに届くまでにかなりの距離があります。そこでBさんが登場します。

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Bさんは、Aさんと領域が重なっていますので、Aさんが掘り出した宝を自分の所に持ってくることができます。

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さらに、Bさんが持っているBさんの宝をAさんの宝に付け加えたりもできます。

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しかし、まだまだお客さんに届くには遠いです。そこで、Cさんが登場します。

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Cさんはどうやら、複数の領域と専門性の深さをお持ちのようです。


以下同文で、Aさん、Bさんと渡ってきた宝にCさんの宝が加わります。


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複数の宝が加わってくると、形が変わってきます。


こんな感じで、Dさん、Eさんと登場し、それぞれの宝を加えながら、だんだんお客さんと領域が近くなってきます。


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Eさんは、専門性はあまり深くないようですが、そのぶん、領域の広さがあります。


Eさんのおかげで、そろそろお客さんに橋渡しができそうです。


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コングラチュレーション!


元々はAさんが掘り出した宝が、たくさんの人を介して、無事お客さんに届きました。


さらに、お客さまには、「お客さんのお客さん」がいますので、ABCDEさんのお客さんはご自身の宝を加え、ABCDEさんのお客さんのお客さんへの橋渡しが続きます。

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とまあ、こんな絵を描きながらですね、学生さんへ


「ABCDEさんはこの絵だと一つの会社にいるように見えるけど、社外の人だったりもするし、お客さんの先には当然お客さんのお客さんがいて、はたまたお客さんのお客さんのお客さん(以下略)がいる。それがある部分はまたAさんに戻ってきたりもして、結局は世の中こういうつながりで成り立ってるんだと思うよ〜」


という話をした所、


「そうか、専門性の深さって、別にテクノロジーに関連するものだけじゃないですし、たまたまお客さんと趣味嗜好が同じで、それで領域が被った、とかもありそうですもんね」


とコメント頂けて、(自分で言うのもナンですが)だいぶわかりやすかったみたいです。


ちなみに、ここからオマケですが、このモデルで解釈すると

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なんの付加価値もつけずに橋渡しだけやるのは単なるガキの使いになりますし


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これは、良かれと思って余計なことしちゃったパターンで


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あ〜惜しい!もうちょっと!ってのもありますね。


さて、ようやくタイトルの「クレオール的能力」の説明になります。


クレオールという言葉の意味は「言葉が通じないもの同士の間で作られた言語」とか「異質なものの混淆(こんこう)から生まれた,元のいずれとも全く同一ではない新しい存在のあり方」になりますが、価値の橋渡しをしていく存在、というのはいつの世も重要なのだと思います。


仕事が高度化・専門化・細分化した弊害の一つとの「同じ会社なのに、部署間で言語が違うから意思疎通全然できん」とかそういった話を聞かない日はありませんが、こういうつながりと流れの図で見てみると、「価値のバケツリレー」のフローを認識するのがやっぱり重要なポイントのように思います。たぶん、滞ってるのは領域が被ってないか、お客さんへどういう人をたどってバケツを渡していくかがノーアイデア、な状況なんだと思います。


私見ですが、「コミュニケーションが重要!」とか「バウンダリー・スパナー(境界連絡者)が必要!」と言われるのは、やっぱり仕事の高度化・専門化・細分化して組織内にサイロができちゃったのを打破する必然性にかられているから、とも思います。


こういった時流もありますので、やはり、人のつながりと関係性の中で、「自分は一体どういった領域の間にいるのか?」といったクレオール的な発想や、その橋渡しを行う能力は重要なのだと思いますし、


自分が仕事でどういう宝を加えて橋渡しできているか?に自覚的になることで、今いる環境の中でも新しい発見があるとも思いますし、「うわヤバい、もっと専門性掘らなアカンわ」と日々の生活にハリが出てくるところもあるように思います。


一度、ABCDEさんを身の回りの人に置き換えて、色々お絵描きして頂けたらと思います。


遍く人に、NUMBOUTDUB EXPERIENCEを、

豊島 考作

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