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聴能形成トレーニング

  • 執筆者の写真: Kosaku Toyoshima
    Kosaku Toyoshima
  • 2018年8月26日
  • 読了時間: 3分

更新日:2019年11月4日

スマートサウンドデザインソサエティ(略してSSDS)の第五回シンポジウムに参加してきました。

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このシンポジウム、今仕事でご一緒させて頂いてる方から紹介頂いたのですが、この日のテーマは「聴能形成」


この言葉、私は初耳でしたが、平たく言うと、「音を聴き分ける能力」のようなものらしく、聴能形成トレーニング体験など、音楽制作活動している身としても参考になるトピックス盛りだくさんでした。(余談ですが、理事の藤澤孝史さん、初めてお会いしたのですが、なんと初代PSの起動音を制作された方!)


プログラムはこんな感じです(SSDSのサイトの情報と同じですが)。

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聴能形成の内容ですが、二つの純音(sin波)を聴いてどちらが高いかを当てる、から始まり、このへんはまあ、楽器奏者ならまあ体に染み付いている(と言いたい)ところですが、


冒頭の写真にもある周波数特性山付け、


「一番目の音源と二番目ではどこの周波数帯域が持ち上げられているでしょうか?」


を、数値で答えると言うもの、結構苦しかったです正直。他にもバンドノイズの中心周波数、とか、、


いや、普段イコライザーとかで遊んで、なんとなくは分かってるつもりでしたけどね笑。正答率50%くらい。本職のマスタリングエンジニアの方なら楽勝なのかもしれませんが。


ただこの聴能形成、実際に体験してみて感じたのですが、数字で音の物理的特性を言い表すことができる能力を磨くことが本質ではないと思うんですよね。


終盤のパネルディスカッションでも言及されたのですが、

イヤートレーニング(聴能形成)をやったから、良いものができるわけではないが、コミュニケーションのインフラにはなると思う。「明るい音なら、こういった周波数特性」というやりとりや、「こういう特性に合わせて音作りできないか?」といったニーズに応えられるような素養を醸成するような方向性を追求したい。

個人的に一つ思ったのは、


「感覚的な言葉でやり取りされる音楽の表現も、たまには数字で話すようなことがあっても良いんでは?」


ということで、バンドで音作りをやってても「もっとローファイな感じで」とか言っちゃいますけどね、ローといっても人によって感じ方も違ったりするわけで。


ただ、全てを数字で言い表すようになったらそれはそれで味気ないですけどね、


映画「セッション」じゃないですけど、例えば、「童貞みたいな音出してんじゃ(以下略)、、、」と言われ、感情を逆撫でされ、その先に出てくる表現に可能性を感じる、、なんていう人らも一定数おりますが、、


人によっては、


「そこの音は、手を伸ばしてやっと届くくらいの高さの棚の上にミカンをそっと置く感じで、音を置いてみて」


と言われたほうがしっくりくる、みたいなこともありますんで、方法論はどれかに統一すべき、ということではなく、プロトコルを増やす手段の一つ、というか、ときに効率性を求められるときには聴能形成で培ったものがとても活かされる、ということだと思います。

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みなさまも、聴能形成ご体験されてはいかがでしょうか。



遍く人に、

NUMBOUTDUB EXPERIENCEを

豊島 考作

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