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  • 執筆者の写真Kosaku Toyoshima

今こそ雇われ企画屋は身体性を回復せよ

スクリーンの民として進化を遂げた人類は、ついに職場から身体すら失われてしまった


ケヴィン・ケリー氏によると、われわれ人類、活版印刷以前は「話し言葉の民」、印刷が普及してからは「本の民」、そして、現代は「スクリーンの民」だそうで、事務所でPCのスクリーンで事務作業している人々をハタから見ると、誰が何やってるかわからないんですよ。


テクノロジーが「身体性の回復」に用いられることもありますが(例えば障害者の社会復帰等)、基本的にテクノロジーの進化は、仕事から身体性を奪います。(というか、今の東京の事務所からはその身体すら失われてますが)今、企業の事務所に行って、誰が経理の仕事してるか、営業なのかパット見だと、かなり判別つきにくいと思います。


それでも10年前であれば、例えば経理のデスクの上は伝票の山があったり、営業だったら報告書があったり、今だとスーツ着ない営業もいたり、ペーパーレスが進んで端末一台で仕事、になると、誰が何やってるか、見た目的にはほぼ判別不能です。


ただ、今回COVID-19の影響が、業種により異なる様に見えました。


その違いを


「身体性が高い(所作で何の仕事かわかる)か、低い(上記の事務仕事のように、見た目では判別不能)か」


「遂行的(要は社会や組織に無くてはならない仕事)か、探索的(無くても社会や組織は回るが、あると面白い)か」


で分類すると、各業種、どのような影響を受けているかの解像度が多少あがり、それぞれの関係性も見えやすくなる、と思います。


ざっくりですがこんなイメージ


それでは、COVID-19により、各象限ごとにどんな影響がでているか


①エンタメ系はわかりやすいですね。経営の苦しいライブハウスのオーナーさんとかほんと気の毒ですが、演者側はオンラインにシフトしてたり、スポーツの無観客試合とか、良く目にするニュースと思います。

ここはCOVID-19前から、オンラインによるライブ配信等ありましたし、より多用なマーケットが広がっていくとは思いますが、収束したら基本は元の形態に戻ると思います。


②社会インフラ系、ここは、COVID-19により消毒しまくる必要が出た、とか、顧客とのチャネルを変えなければならなくなった、等の影響はありますが、本質的な身体性の部分は変わらない、と思います。ロボットが幼児の世話をする、とか多分まだ先。


「客足が途絶えた飲食業ってどうなの?」って話、これは①と②の間くらいで、顧客に提供する手段やチャネルは大いに影響を受けてますが、「料理する」という身体性は変わらないです。


③の前に、④事務系、まだまだ紙文化で事務所に行かなければならない、なんて人も居るかもしれませんが、なし崩しにオンライン化は進んでいくと思います。まあ、エクセルのショートカットキーを優雅にタイプする、なんてのは、今では一つの「身体性」ではありますが、いずれRPAや、BIツールで代替されて行きますし、ITツールを使いこなせるかどうかが業務効率に直結はしますが、まあ馴れの問題ですね。

③企画系、自分も本業はここに位置しており、一番深く考えてしまうところですが、


もともと身体性が④の事務系と同じく低く、オンライン化の加速とか(むしろ紙文化の比率が少なく、スムーズにリモートワーク化)、ITツールの使いこなしが明暗分ける、といった所は同じなのですが、これまで無意識に活用していた身体性(たとえば、これまで通勤中に何気なく目にしていたものとか、身振り手振りで相手に伝えられていたこと)が失われたことで、結構影響が出てくるのでは、と考えています。


端的に言うと、(もともと低かった)身体性がさらに失われることで、面白いことを考えるための刺激が無くなり、面白いことが出て来づらくなるのでは無いかと思っています。


ただ逆に、閉じられた世界に篭もることで新たな着想を得られるパターンもあるかもしれませんが、家にずっと居ると、5感のチャネルが開きにくくなるので、いずれにせよ企画屋として仕事を続けていくには、上記について自覚的になった方が良さそう。


ということで、雇われ企画屋の方も、そうでない方も、これを機会に身体性の回復につとめましょう!ヨガやるなり、踊りながら仕事したり、VR試してみるなり、楽器を弾いてみたり、自分がしっくりくる身体性が何なのかを捉え直してみる、のが良いと思います。


ではまた!

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