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  • 執筆者の写真Kosaku Toyoshima

マーケティング勉強会ガイダンス内容


この状況の中、たくさんお集まり頂き、どうもありがとうございます。


後ほどご説明差し上げますが、私は別にマーケティングの専門家でも何でもありませんので、「教える」と言うことはできません。しかしながら、これまでこういったスタイルで勉強会を40回以上開催してきました。


そこでの私のスタンスは一貫して「促し役」で、流行の言葉で言えばファシリテーターとかそういうものになりますが、皆さんが楽しく、面白おかしく学んでいけるように、色んな仕掛けや場の設計を行っていく、そういう役回りとなります。よろしくお願いします。


目標とするレベル感「マーケティング関連情報に触れた時に、その内容をすぐに理解でき、行動に移すことのできる状態」


まず目標とするレベル感は、レジュメにあります通りマーケティングの関連情報に触れたときに、その内容をすぐに理解でき、行動に移すことのできる状態を目標とします。


言い換えると情報感度の向上、になりまして、今ここにいる皆さん知識のレベル、スキルそれからノウハウもバラバラな状態だと思いますけれども、全5回、今日のガイダンスも入れると6回、終わった後には底上げがなされていると、そういう状態になればいいなと思います。


あと、行動に移してそれが周りに受け入れられるか、特に企業やチームの中で働く上においては、その組織の方向性と合っているか、ここが重要になってくるわけですが、それを踏まえた上で行動することができる、そういう状態が理想かと考えております。


対象者は、マーケティング初学者とさせてはいただいておりますが、書籍のリストにあります通り、有識者のアドバイスも得て非常にバラエティに富んだ、良い書籍を選定できたと思っています。


と言うことで、「マーケティングなんて初めて」と言う方から、「マーケティングを極めたなんて言う方」にも、それぞれなにか新しい発見があるような形でカリキュラムを設計しました。


「勉強会の全体構成(各回2時間程度)」


次に勉強会の構成です。本日ガイダンスとして、全体の流れと、開催にあたってのポリシーを説明させていただきます。


  1. ガイダンス(本日)

  2. 学習基盤としての経営学

  3. ビジネスモデル基礎

  4. マーケティング基礎

  5. マーケティング主要素としてのインタビュースキル

  6. 最新トレンド〜応用編(セールスコピーライティング等)


まず取り上げるのは学習基盤としての経営学です。


「なんでマーケティング勉強会なのに経営学?」


最初に取り上げる書籍、こちら入山章栄先生の「世界標準の経営論」になります。

お手元にありますこの書籍、目次をご一読いただければ分かりますが、こちらにはマーケティングなんて単語は一切出てきません。


ではなぜマーケティングの勉強、と言いつつ経営理論を勉強しなきゃならないのか?


その理由ですが、経営学と言うのは、言ってみれば組織が事業を行うためのOSのようなものです。


マーケティング、といっても普段皆さんB2Bのビジネスであったり、組織の中で仕事をしているわけですから、ビジネス相手がどのような仕組みで動いているか、それから自分が所属する組織がどのようなOSで動いているか、というのを理解しないことにはマーケティングどうのこうの、といってもうまく機能しない。


ということでまずは現代の企業がどのようなオペレーティングシステムで動いているのかそこをざっくりと理解する必要があるというふうに考えています。


この本はとても良い本で、経営学の知識を広範におさえることのできる内容となっています。


ですのでこの本を読んで例えば会計に目覚めたとか、まぁ会計といっても管理会計・財務会計・制度会計ありますけど、この勉強会を終えた後に「自分は会計の世界で生きていくんだ!」と言う人が出てきたり、「戦略楽しいから俺は事業戦略で生きていく!」もしくは「人事や組織って面白い!」と言う方向性が出てくるのは、それはそれで非常に喜ばしいことだと思います。


OSの次は「構造」の理解


次はビジネスモデルの基礎となります。


組織のOSを理解できたとは、そのOSがどういう「構造」で駆動しているか、というのを理解する。


えーと、これはビジネスモデルキャンバスといいますけれども、次の次の回で詳しくご説明しますが、これが今はビジネス開発のみならず、様々な分野で世界標準デファクトというか、ビジネスパーソンとして生きていく上ではかなり必要不可欠なものになってきている、と言う事から、みなさんも使えるようになっておいて損は無いと考えています。


ビジネスモデルキャンバスについて知っている方ってどれくらいいらっしゃいます?

何名かいらっしゃいますね。詳しい説明は別の回に譲りますが、これはスイスのローザンヌ大学のイヴ・ピニュール先生と言う方が30年以上の歳月をかけて探求し、愛弟子のアレックス・オスターワルダー先生が継承したもので、「ビジネスとは突き詰めると一体どのような構成要素で成り立っているのか?」と言うエッセンスが凝縮されています。


既に使えるよ、と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、昨年私、開発者二人によるマスタークラスを受講してきましたので、最新トピックスなんかも交えながら解説していきたいと思っております。



構造の中でどのように「マーケティング」が機能するか


OSと構造理解できたら、いよいよマーケティングの基礎的な部分に入っていきます。


これが先ほどのビジネスモデルキャンパスを用いた「構造」がインストールされていると、実はこの中の顧客と、真ん中の、バリュープロポジションと言う部分をクローズアップしたものが根底にあると理解できるようになります。


ですので、これに限らずやはり構造を先に理解できていると楽で、マーケティングの基礎関連で良い本も使いながら学んでいきたいと考えています。


次は、現時点では一応、マーケティング主要素としてのインタビュースキル、としておりますけれども、これはカリキュラム上「インタビュースキルはやっぱり話せないなぁ」とは思っていますが、皆さんの状況によっては、マーケティング企画設計の方法、とかそういった別のコンテンツに差し替えても良いかな、と考えております。


最後は最新トレンドから応用編、と言うことで今世の中の特にBTOBマーケティングの分野で何が起こっているのか、ここをインプットしていきたいと思います。


この勉強会、書籍の選定それからカリキュラム設計については、いろんな有識者の方にご意見いただきながら作ってきました。ですので自分で言うのもなんですが、結構良いプログラムになっていると思います。私自身も楽しみながら、皆さんと楽しく学んでいけたらと思いますのでよろしくお願いします。


勉強会ポリシーについて


私これまで、色んな場でこういった形の勉強会を40回以上やってきて、大体はまぁ、1回2時間程度のスポットの勉強会って言うのがほとんどです。

そういえ場ですと、わざわざこうやってしちめんどくさい説明をせずに、早速読んでみしましょうと言う形で進めることがほとんどなのですが、スポットで1回きりの時は別にそれでも良いのですが、今回のように複数回カリキュラムを組んでやるとなると、皆さんが馴染みある、他のセミナーとちょっと毛色がことなることもあって、学習効果を最大に高めるためにも、ここはやっぱり理解いただきたいなぁと言うことで説明させてください。


私がこうやって一方的に喋るのは基本的には、ガイダンスの今日限りですので、申し訳ありませんが少しの間ご容赦いただければと思います。


進行役のスタンス


冒頭申し上げた通り、私はマーケティングの専門家ではありませんので、教えるということはできません。では何をやるかと言うと、皆さんが楽しくそして面白おかしく学んでいけるようにいろんな仕掛けや場の設計を行っていく、という役割になりますが、具体的には次に申し上げる理論や方法論がうまく回るような役割を担うこと、となります。


この勉強会は、主に2つの理論的背景に立脚しています。


勉強会が立脚する2つの理論的背景:①フロー理論


1つ目はフロー理論です。


この理論が表すものの1つに、フロー状態と言うものがありますが、これはざっくり申し上げると、


「難しかったけど楽しかった」


と言う状態のことです。

英語で言うと "Hard Fun" 言う状態ですが、スキルと課題がうまくバランスしている、そういう状態になります。


頭で表しますと、


縦軸に課題の難しさを取り、横軸に参加者のスキルを取ります。

フローの状態と言うのはこの真ん中あたりのこのゾーンのことです。


説明すると、まぁ当たり前っちゃ当たり前なんですけれども、例えばここにいる皆さんを仮に、そこまで経営に関する知識がない、言う状態として、いきなりこの場で


「最近のエクセレントカンパニーにおけるダイナミック・ケイパビリティ的特徴を述べ、その競争優位性と、市場におけるプレゼンスの意味合いと持続性について述べよ」


とか言われても、ほとんどの人は「いきなりそんな難しいこと聞くんじゃねーよ笑」という感じで、端的に言ってものすごくつまらないものになると言うことが容易に予想されます。


これがこの頭で説明しますと左上のところにあるようなイメージなります。


他の例で言うと、ある程度皆さん、キャリアを積まれてる方がお集まりですけれども、今更「営業電話のかけ方とマナーを1から学びましょう」と言う投げかけをしても、「今更そんなことやらせんじゃねーよ笑」となって、これまたとてもつまらないものになると思います。


この2つはいずれもフロー状態ではない、と言う事ですが、やはり楽しく学んでいくためには、適切なプロセスを経てこのフロー状態入っていくというのが極めて重要です。

ここで私の役回りとしては、「みなさんの様子を伺う」のと、「場に対して適切な課題を投げ込む」という二点になります。


「義務感で覚えると、義務を果たした瞬間忘れる。快楽と共に覚えると一生忘れない」


あと、このフロー理論のついでで申し上げますと、学習効果を最大に高めるためには「楽しくもある」というのがとても重要です。


これは私が敬愛する菊地成孔先生の言葉でもありますが、


「義務感とともに覚えたものは義務を果たすと体から忘れる。快楽で覚えた言葉は一生忘れない」


ですのでやはり楽しく快感を感じながら学ぶ/本を読むと言うのはとても重要です。


この中には、「普段本なんか読まねーよ」と言う方もいらっしゃると思いますけれども、「こんな難しそうな本、楽しく読むなんてとてもじゃないけどできないよ」と言う方も、まずは楽しんでみようと、そういう構えで取り組んでいただければと思います。


楽しもうと言うアティテュードがあると、そのうち本当に楽しくなってくると言うこともありますが、本来「読書」と言うのは極めて快感を伴う営みです。


これは読み人知らずですが、


「読書と言うのは、人が寝床で行う営みの時代快楽のうちの1つである」


と笑、もう一つの快楽はあえてここで言いませんが、本質的には読書と言うものはものすごい快楽を伴うと。


これは雑誌WIRED創刊者、ケヴィン・ケリー氏の言葉ですが、


「20世紀は本の民の時代であり、21世紀はスクリーンの民の時代である」


と、20世紀何がエポックメイキングだったかと言うと、みんな好きなように本を読めるようになったと言う事なんですね。


大体皆さん「最近の奴らが本を読まないからダメだ」とかディスられることもありますけど、ほんの数十年前まではむしろ、「本読むな」と言われてたわけですよ。


正確に言うと軍部が指定する本以外読むなってことですけれど。いわゆる思想統制ってやつです。


それが戦後いきなり自由に本を読めるようになってきた。と言うことで、逆に言うといきなりいろんな楽しみが解放されたと言う事でもありまして、読みたくても読み切れない本の量があると言う状態にもなっているわけですが。


それで皆さん今は、スクリーンの民の時代とか言われます。


ふだん本は読まなくても、皆さん寝る前についついスマホでSNSやっちゃったり、誰が書いたかわからない文章を消費するような時代になってきてるわけですよね。


長い目で見ると、スクリーン上のテキストを読むのに適した勉強法など開発されていくと思いますが、この勉強会では紙の本の特徴を生かした読み方をすることもあって、基本的には紙の本を使います。


まぁここにいる皆さん、20世紀と21世紀の節目で考えると、本の民がほとんどということでご容赦いただければと思います。


と言うことで、ここで簡単なカウンセリングを行いたいと思います。


自己申告で構いませんので皆さんの今の「マーケティングと言うものに対する知識や経験ノーハウのレベル」と言うものをざっくり次の4段階で表すとすると、どこに該当するか挙手で教えてください。


1つ目が "Full" つまり「マーケティングに関しては極めた、もう学ぶことがない」と言う方々、それとは真逆の「マーケティングについて何もかもさっぱり解りません助けてください」と言う方を "Zero" 少しは勉強したこともある、という方を "Middle" 結構勉強て少しは自信があると言う方を "High"


この4分類で行くと皆さんどこに該当するでしょうか。


ありがとうございます。かなり山としては "zero" に寄ってる感じですね。

そうしましたら次にこの場に来た目的について教えてください。・・・ありがとうございます。


勉強会が立脚する2つの理論的背景:②コンストラクティヴィズム


もう一つの理論、コンストラクティヴィズム、もしくはコンストラクショニズム、といいます。


これはMITのシーモア・パパート教授によって確立された理論ですが、一言で言うと


「何かを理解しようと思ったら、それを自分の手で作り上げるのが1番手っ取り早い」


と言うことになります。


私にはもうすぐ5歳になる息子がいますが、子供の行動をよく観察しているとこのコンストラクショニズムが意味するところはよくわかります。


知育玩具と呼ばれるもの全般がそうですが、幼児は暇さえあれば、手を動かして何かを作っている、それはレゴブロックだったり、最近だとLaQですか、彼らはそれで恐竜を作ったり、ロボットを作ったり、何をしているかと言うと、自分の手で仕組みや構造を再現することで、彼らなりに例えば恐竜がどうやって動くのか、どうやってその構造が成立するのか、ということを理解しようとしている。


大人の場合でも、例えば料理の作り方がわからない、と言う時は自分で料理してみるのが1番ですし、外国語の喋り方がわからない、と言う時はその外国語を使って喋る、というのがやはり早いです。


生活面でなくても、規定やルールの作り方わからないと言う時は、実際に規定を作ってみるのがやはり理解のために早いし、究極、この世界がわからないって言う時は、自分で世界観を作ってみるのが1番早いです。


このように、何かを理解しようと思ったら自分の手で作り上げるのが1番手っ取り早い、と言うのがコンストラクショニズムの根幹になりますが、勉強会においては、とにかく手を動かしてみるということが重要になってきます。


「考えるな感じろ」とでも言いましょうか、この勉強会でいろいろメモを取ったり自分の考えを書いてみると言う局面がたくさん出てきますが、さいわい、メモ帳が大量にありますので、まず書き出してから考える、


これは手の神経細胞の80%が脳とつながっていると言う、大脳生理学的な理由もありますけれども、とにかく書いていくうちに自分の考えがまとまっていく、その効果を実感いただくためにも、まずは手を動かすと。


なのでこの勉強会、飲み食いしたり、何なら定時後なので酒を飲みながら参加いただいても結構ですが、腕組みは禁止と笑、楽しみながらやる、と、腕組みは禁止、と言うのがこの勉強会の二大ルールであります。


復習に一番良いのは「誰かに話す」


またこの勉強会、予習は一切不要ですが、やはり理解の定着のために復習はやっていただきたい。その復讐の方法として1番良いのが、考えをまとめたりして文にすると言うこともありますが、1番手軽にできるのは「誰かに話す」と言うことです。


皆さんのご家族や恋人、またこの場にいる学友、それから同僚、どなたでも良いですけれど、話を聞いてくれそうな人に、勉強会で得たものをとにかく話してみる。


これが1番手っ取り早い復習の方法と思います。もし周りに話を聞いてくれそうな人が誰もいない、と言う人は、いくらでも私が話し相手になりますので(笑)よろしくお願いします。


あと余談ですけれども、この勉強会ではPowerPointを使った資料は、ほとんどというか一切出てきません。


この理由ですが、そもそも何で仕事でPowerPointを使うか説明できる方っていらっしゃいます?


私も仕事では、年間1000枚とか、結構な数PowerPointのスライド作ってきましたが、こうした勉強会でスライドを使うのは不適切と考えています。


なぜかと言うと、もちろんPowerPointを説明で使うことが有効な場合も多々あります。

ただその前提としてPowerPointを使って説明しようとする相手が、ある程度知識の前提が揃っている必要があるということがあります。


いろんな企業で例えば四半期に1階会社の業績を株主に対して説明するときに、PowerPointを使う、と言うケースもありますが、それは聞き手である株主がある程度知識のベースラインが揃っているから有効であるに過ぎないと言うことです。


こういった勉強会ではのように、皆さんの様子を伺いながらちゃんと理解できるかどうかを確認しながら進めていく、そういう時にPowerPointを使ってしまうと、これまでの話でも結構難しい概念が出てきたりしましたが、スライドを使って説明してしまうと理解が消化不良気味になってしまう。


こういう場合に有効なのが、やはり実際にリアルタイムで描かれる説明を追いながらメモをとっていくと言うやり方になります。


そういうわけで、この勉強会では、もしかしたら中には期待されていた方もいらっしゃるかもしれませんが、一切見栄えの良いスライドや資料が出て来ません(笑)よろしくお願いします。


以上がこの勉強会が依拠する2つの理論的背景の説明となります。


なぜ集まって本読む必要があるのか?


続いて、なぜ集まって読む必要があるのか?と言う説明です。


別に1人で読んで知識が高まればそれで良いじゃないかと。


この理由は、第一にこんな本を1人で読むのは辛いと言うこともありますが、 1人で読むとその人の思考の枠内で本にある概念が解釈されてしまうため、そういう状態でチームの中に入ったり組織の中に入ったりすると、いろんな軋轢が生まれてしまうということがあります。


これは例えば、


「なんであいつらはこういうことももわからないんだ」とか


「もっとプロならば勉強しておけよ」と言う負の感情になって現れこともしばしばです。


組織の中である知識を有効に活用とする場合、やはりメンバーの間でその知識が適切に共有されていると言う状態が必要になります。


勉強会では得られた知識をその場で参加者の皆と共有しながら進めるため、個人としての知識の獲得と、集団内における知識の共有も同時に進められると言うメリットがあります。


もう少し噛み砕いて言うと、個人的には、勉強会ってこういうイメージかなと思います。


これは、吉田松陰が埋葬されている、世田谷線沿いの松陰神社にある、松下村塾の前で撮った写真です。


正確に言うとこの松下村塾はレプリカなんですが、幕末期、時代の変革期にも同じ営みがあったと。 みんなで集まって本を読んだり勉強しよう、と言うムーヴメントは、別に真新しいものではないということですね。



学校で習うか?路上で習うか?


これが次の話、「学校で習うか、路上で習うか」という話とも関わってくるわけですが、こうした勉強会をやろうとする際、建て付けとしてわかりやすいのは例えば


「ハーバードビジネススクールでマーケティング専門的に学んだ」


と言う人を連れてきて講師をやってもらうことです。


所謂、権威付けされた学校で習った人から習う、と言うのはステータスもあり、安心感もありますが、これは、ファイン・アートか、ストリート・アートか?と言う文脈にも見られるものですが、実際のビジネスでも、別に学校で習った人だけが成果を出せると言うものでもないですよね。


路上と学校どちらで習うのが良いか、これは極めて難しい問題ですが、繰り返し申し上げている通り、私は別にマーケティングの専門家でもありませんので、路上で習うと言うそういうスタイルに近いかなと思います。


読書法4分類


次に読書法の分類の説明です。


読書なんてものは別段皆さん、好きなように読めばいいわけですが、この勉強会では、勉強会を成立させるためにある特殊なやり方で読みます。そこをご理解いただくための説明です。


なおこれは私のオリジナル分類で、理論的にはビミョーなところもありますが、こういった形で勉強会をやる際の便宜的な説明としてご理解ください。


これも図を使って説明しますと、まず読書には大きく「探索型」と「遭遇型」と言う2つのやり方があります。



「探索型」と言うのは、あらかじめ欲しい答えがなんとなくわかっている、と言うケースです。例えて言うと、今日はカプレーゼ作りたいからレシピ探しに本屋に行く、とかそういうケースです。


これに対し「遭遇型」と言うのは、「特にあては無いけれども、なんとなく本屋に行ったら面白そうな本が見つかった」と言うようなイメージです。


大きくこの2つのスタイルに対して、もう一つ「インストール型か?」「アウトプット型か?」と言う軸を持ってきます。インストール型と言うのは主に知識の習得を目的とするもの、アウトプット型と言うのは、知識を実際に利活用出来るようにすることを目的とします。


この右下、ここに、この勉強会で用いるソーシャルリーディングと言う技法が入ってきます。

実際には本を読む過程でインストールされてくる要素もありますが、その多くが、対話形式でのアウトプットを行う事を方向性の1つとしているためここに位置づけられます。


次に右上ここには、速読・多読、あるいは乱読といった読書法が来ます。

ここにいる皆様も、何か特定の速読法といった技法を習得してらっしゃる方もいるかもしれませんが、巷にある速読法の多くが「知りたい情報をスピーディーに取る」ことを謳っていることからも、インストールに重きが置かれています。


次に左上、ここには「音読、精読、熟読」が入ります。


私も、もう職業病というか、さらっと拾い読みをすることに馴れきっちゃってて、やっぱりじっくりテキストと向き合う熟読、精読をやらなきゃいけないタイミングが時折きます。


拾い読みして内容理解した気になって、飲み込みが早いように見えて、結局理解不足の消化不良起こしている、なんてこともよくありますけれども、そういう場合にも「音読」と言うのは結構効果があります。


内田樹の言葉で、


「人は、他人の言葉はどれほど合理的であっても信用しないが、自分が一旦口にした言葉を信用する。…その言葉により身体感覚が変わる」


と言うものがありますが、音読と言うのはある意味、他人の思考を強制的に自分にインストールするようなプロセスです。


だからこそ諸刃の刃的なところもありますが、最初はなじまないような言葉や概念でも、繰り返し自分の口で喋っているうちに馴染んでくる、みたいなところがあります。



最後に左下こちらには「朗読、判読」が入ります。


判読とは、意味としては「教師が模範として生徒に読み聞かせること)となりますが、他者に聞かせるものとしてのアウトプットとしてここに位置づけられます。


繰り返しですが、皆さん家に帰れば基本的に本が好きなように読めば良いです。ただこの勉強会の場では、勉強会を成立させるために、ちょっと特殊な読み方をする、そこだけご理解いただければと思っております。


次のご説明「マーケティングの意味合いの変遷、セールスとの違い」については3回目位の勉強会で詳しく取り扱いますのでここでは割愛します。


勉強会が終わった後には?マーケティング・プロ分類


ガイダンスの最後のご説明として、この勉強会が終了した後に、仕事としてどういった方向性のイメージがあるのか?


と言うのをお伝えします。


世の中の状況を個人的に観測して、いわゆるマーケティングのプロとして仕事をしている人たちはこういう役割を宣言しているなぁ、と言うような分類になります。


1つ目はセールスコピーといったライティングの分野、制作系などクリエイティブと言われるものに従事する形。


2つ目は、B2Bに限らず、マーケティングは分析と不可分、みたいなところもありますので、アナライザーというかデータ・サイエンティストという役割になります。


3つ目はスタッフ的な役割、上記2つに該当しない、というか間にこぼれ落ちるような調整事、これらを担っていく役割です。

勉強会の最後の方で出てくると思いますが、B2Bマーケティングの分野で、"ADR" と言う、今最も必要とされている仕事があります。


これはマーケティング活動で出てきた営業案件を、現場のセールスにつないでいく役割のようなものですが、いろんな軋轢や思惑の網を縫って組織としてパフォーマンスを出していく。


そういった役割から、関係各所の利害をまとめあげていき、例えば企画としてまとめていくような、組織としてそしてチームとしてもなくてはならない仕事になります。


ただ、繰り返しですがこのプロ分類はあくまで私の目から見たものですので、例えば勉強会の過程で、「私は財務の専門家になる!」とかそういったやる気を阻害するものでは全くありません。


基本的には皆さんそれぞれがこの仕事に打ち込んでいて楽しい、というものを見つけられるのが1番だと思います。楽しめると言うことがベースラインにありさえすれば、仕事をしていてめんどくさいことや辛いことも多々あっても、大抵の場合は乗り越えられます。


キュレーター/水先案内人のススメ

あと、勉強会の後に、何か特定の分野をもっと勉強したいとなったら、強くお勧めするのはお気に入りのキュレーターを持っておくことです。


みなさんも、例えば音楽なら、「ラテンやハウス・ミュージックで最先端の音楽を知ろうと思ったらあいつに聞こう」なんてお知り合いがいると思いますが、


私も、師匠というか、困ったらこの人に聞くと言う人が何人かおり、自分に最新情報くれたり、必要な情報くれる人と言う関係性はものすごく大事だと思います。


この本の著者、入山章栄先生も、多分セミナーとかで数千円払えば会いに行ける存在だと思いますよ。

自分と趣味や肌感覚・方向性が合いそうな人をキュレーターとして関係を持っておく、これを強くお勧めいたします


今後の勉強会ですが、先ほどカウンセリングさせていただいた内容をもとに、この場にいる参加者を2班に分けます。


勉強会は隔週開催、各回2時間程度となります。引き続き皆さんと楽しく学んで行けたらと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします。

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